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EZ アタッチメントの開発-どうしてEZアタッチメントを開発しようと思ったか-

アタッチメント精度はインビザライン治療の精度に直結する

アライナーによる歯の移動において、アタッチメントはとても重要な役割を果たします。つまり、アタッチメントを正確につけられるかどうかは治療クオリティに直結するということです。特に最近はiTeroなどの口腔内スキャナーの普及でより精密なアライナーが製造され、アタッチメントもコンピューターで歯の移動を最適化された小さなアタッチメントが設計されるようになってきました。このように、インビザライン治療においてより精密なアタッチメントの設置がますます重要になってきています。

アタッチメントの設置は意外と難しい

しかしアタッチメントの設置を正確に行うのは、単純なようでなかなか難しいのです。インビザライン治療において特有なクリニカルスキルはそんなに多くありません。PVS印象とIPRとアタッチメントの設置です。PVS印象はiTeroスキャニングができるようになり、簡単かつ精密にデータをとることができるようになりました。

IPRもストリッピングTIPや極細のバーとKIMライトのような拡大鏡を使うことで精密に行うことができます。ところがアタッチメント設置だけは相変わらず柔かいテンプレートをかぶせて光重合させるという極めて術者のスキルに依存する方法でつけられてきました。アタッチメントを正確につけるためにはテンプレートをしっかりと歯に圧接する必要があります。テンプレートが咬合面も頬側面も浮いていないように圧接しつつ、光重合照射器でアタッチメントレジンを重合します。この『咬合面と頬側面両方からしっかり圧接しつつ光を照射する』というのがなかなか難しい。

咬合面は指で抑えられますが、頬側面は指で押さえるとアタッチメント部分に光があたりませんので、ピンセットなどの器具で抑えなければなりません。テンプレートの表面は滑りやすく、ピンセットでしっかり押さえるのはなかなか難しいのです。それに1箇所抑えていても隣の歯の部分はテンプレートが若干浮いています。その状態で光を照射すると、隣のしっかり圧接されていない部分まで重合してしまい、分厚いアタッチメントと分厚いバリが形成されてしまいます。

アライナー治療全体にも影響する

このように設置が難しいために、クリンチェックで治療計画を立てる際に7番の頬側など、特に設置が難しい部位へアタッチメントをつける設計を躊躇したりすることもよくありました。しかしそれではアタッチメント設計の制約のために、治療がスムーズに進まないということにもつながりかねません。

「簡単」と「精密」を同時達成

こうした背景から、なんとか簡単に精密なアタッチメントを設置する方法はないかと考えました。EZアタッチメントを使うことで、まさにこの2つの課題が解決されるのです。

圧接と照射が同時にできる。

まず、EZアタッチメントのシリコンのチップを使うことで、アタッチメントの周りを均一の力でしっかりと圧接することができます。そしてそのまま光照射をしてアタッチメントを設置することができます。シリコンチップで覆われているので、隣接歯まで強い光が届きにくく、一歯ずつ精密なアタッチメント設置ができるのです。

一人の術者で完結する。

従来の方法ではテンプレートを圧接するのに一人と光照射のアシスタントが必要で、アタッチメント設置は2人がかりの処置でした。EZアタッチメントを使うと圧接と照射が同時にできますのでこれらの一連の操作は一人の術者が完結して行えます。

時間の劇的な短縮と精密性。

さらに、しっかり圧接されているのでアタッチメント周りにできるバリが薄く、照射後の仕上げの時間が極めて短縮されます。その結果、アタッチメント設置に必要なアポイント時間は半分以下にすることができました。私のオフィスではアタッチメントの設置はスタッフが行います。スタッフが一人で短時間に精密なアタッチメントを設置することができます。さらにこのEZアタッチメントを使った独自のアタッチメント設置方法までで生まれてきており、セミナーをしようという声も上がっています。

圧接と照射を同時にでき、短時間で効率的に精密なアタッチメントをつけられるEZアタッチメント。

クリンチェック上でのアタッチメント設計も自由にデザインできるようになりました。

私の臨床においてEZアタッチメント無しでのアタッチメント設置は考えられないですね。

  • 日本非抜歯矯正研究会マスター会員
  • カナダBiolux社クリニカルアドバイザー
  • 米国アングルソサエティレギュラーメンバー
有本博英EZアタッチメント開発者

近畿で最初の矯正歯科専門医院を開設した父の元で小臼歯4本抜歯を伴う矯正治療を受ける。1995年、非抜歯治療98.5%という数字が信じがたく、フロリダのグリーンフィールドのオフィス訪問。リップバンパー1本でまるで別人のような歯列に変化していることに衝撃を受ける。1996年よりグリーンフィールドコースインストラクター。日本非抜歯矯正研究会設立発起人。2002年アメリカ矯正歯科医会フィラデルフィア大会招待講演、テーブルクリニックアワード受賞(日本非抜歯矯正研究会として)。2007年第1回イタリア非抜歯矯正学会招待講演。2013年第8回九州矯正歯科学会学術大会特別講演。2015年アングルソサエティナショナル大会講演。日本,イタリア、韓国、インド、香港などで非抜歯矯正MOOセミナーを開催。インビザライン治療においては日本アライナー矯正研究会、ドイツアライナー矯正研究会などで講演予定。2015年よりBiolux社クリニカルアドバイザーとしてアメリカ矯正歯科医会の同社ブースで光加速矯正のセミナーを行う。EZアタッチメントおよびEZマウント開発者。

略歴
1991年 大阪歯科大学、1995年同大学院卒(歯科矯正学)
1996年 大阪歯科大学助手(歯科矯正学講座)
2001年 イースマイル矯正歯科大阪オフィス(大阪市天王寺区)開業
2013年 イースマイル矯正歯科芦屋オフィス(芦屋市)開業
著書
『非抜歯矯正治療- Molar Oriented Orthodonticsの実際
(医歯薬出版 2011)』共著者
『一歩抜け出す未来志向の歯科医ライフ(医歯薬出版 2014)』共著者

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